難攻不落な彼に口説かれたら
何か……。

「か、片岡君と知り合いなの?」

震える声で小野寺君に尋ねれば、彼は素直に認めた。

「ああ。俺の従兄だよ」

仁の従兄?

驚きで目を見張ると、小野寺君はそんな私を楽しげに見た。

「雪乃先輩の彼氏って仁だろ?俺が従弟って話してないってことは、遊びで付き合ってんのかな?だったら、他の男に抱かれた女はきっともういらないだろうな」

小野寺君の悪意に満ちた言葉に、気分が悪くなった。

「彼はそんな人じゃない!」

小野寺君を見据えてそう言い放つと、彼は「じゃあ、試してみようか」と言ってペロリと下唇を舐めた。

「雪乃先輩は甘い匂いがする」

小野寺君は顔を近づけ、私の首筋に触れた。

「小野寺君、止めて!」
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