難攻不落な彼に口説かれたら
「俺もしなかったけど、雪乃の願い事って何?」

仁は興味深げに聞いてくる。

「え?」

まさか仁に突っ込まれると思っていなくてたじろいだ。

本人目の前にして言うの?

恥ずかしいけど、仁が私の顔を覗き込んできて誤魔化せそうにない。

ああ〜、もう言っちゃえ!

「仁とずっと一緒にいたいって……」

少し照れながら言うと、仁は嬉しそうに微笑んだ。

「奇遇だね。俺も同じ」

そう言われて、凄く幸せな気分だった。

それからどれだけ星を眺めただろう。

湯船を出て再び浴衣を着ると、次は仁が予め予約しておいてくれたアロママッサージをふたりで堪能した。

リラックスした身体で部屋に戻れば、もう時刻は十一時五十分過ぎ。
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