例えば君に恋しても
門を入ると直ぐに、沢山の人が見える。
みんな華やかでゴージャスで、どれ程仁が高級なドレスを用意してくれても、着てる人間の違いで、全然変わる。
車から下りてすぐ仁が私に肩肘張るから腕を組んで歩いた。
でも、このほうがまだ、緊張も和らぐ。
行き交う人が次々に祝福の言葉を新一さんの弟である仁にも投げ掛ける。
屋敷の中に入ると直ぐに広がるホール。
そこも沢山の人で埋め尽くされていた。
用意された雛壇
たくさんの飾りやテーブルや料理。
まるで芸能人のパーティーをも想像させられる。
「もう少しで始まる。前のほうに行くかい?」
「ううん。一番後ろがいい。」
そんなの、よく見えなくていい・・・
「分かったよ」
仁に誘導されて雛壇から一番離れた壁際に立った頃、ホールが薄暗くなり雛壇に照明が集まる。
そして進行係りの言葉と盛大な拍手に迎えられて、記者会見でもするように新一さんと香里奈さやんの二人が壇上に上がった。
瞬間、ツキンと痛む胸の奥。
壇上に上がった新一さんは、いつものように明るい笑顔を見せていた。
香里奈さんも、控えめな笑顔を見せながら新一さんの隣に立つ。