例えば君に恋しても


両手を広げたその腕に飛び込んだ。

「僕のプロポーズ・・・受け入れてくれますか?」

耳元で囁かれた言葉

婦人の騒ぎ立てる声。

「あなたとずっとずっと一緒にいたい!!」

「なら、良かった。」

そんな私たちを見て、香里奈さんが続いた。

「私にも好きな人がいます。

私も結婚する相手は自分で選びたい!!

私がみなさんに報告したいのは

豊穣はこれより、市橋の傘下を抜け、独立を確たるものにすること。

市橋次期当主、新一と話し合い、これからは同士として助け合いをしていこうと決めました!!」


声を張り上げる香里奈さんのもとに、よく似た紳士的な男性が歩み寄る

「豊穣氏・・・」

呟いた新一さんが少し身構えながら彼を目で追う。

彼はそれを気にせず香里奈さんの隣に立つと、大きく頷いた。


「娘の言う通り。金の亡者に成り下がった市橋とは、縁を切りたいと思っていた所だ。」

市橋婦人を睨み付ける豊穣の当主。

「だが世代交代の時がきた。

影で支配し、支配されない関係を、この若造たちが目指すと言うなら、私は彼らに任せたい。

これで豊穣が終わるならそれまで。

娘には娘の幸せを選ばせる。

婚約制度の廃止を市橋家に願う!!

君が当主の座についたならこの歴史を壊して革命を起こしてくれると言うんだろ?市橋新一くん?」

真剣な眼差しで新一さんを見詰める。

新一さんは

大きく頷いた。



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