例えば君に恋しても
「僕は豊穣財閥を尊敬した上で良きライバルと思っています。
僕が当主となった時にはこのしがらみを無くし良い協力関係を結んでいければと思います。」
突然沸き起こる拍手の嵐。
その言葉に深く頷いた豊穣氏は香里奈さんと共にたくさの歓声を浴びながら壇上から姿を消した。
「とりあえず、今から大変だけど大丈夫?」
心配そうに私の顔を覗きこむ新一さん。
「ずっと大変なことばかりだったし、あなたとなら大丈夫よ。」
笑う私を強く抱き締めると、新一さんは大きな声で叫んだ
「2大財閥の新しい門出を祝して、みなさんどうぞ今日のパーティーを楽しんで下さい」
応えるように、さらに沸き起こる拍手。
ひょいと私を抱き抱える新一さん。
向こうから鬼の形相で駆けて来る婦人
「母は決して悪い人ではないんだよ?」
「あなたを見れば分かるわ。」
「そう言ってくれてありがとう。母はとても心配症で頑張り屋さんなんだ。
でも・・・」
「うん?」
「難しい放しは後でね。
今はようやく手に入った君とふたりきりになりたい!!」
途端に私を抱いたまま、走りだし屋敷を飛び出す。
駐車場に停めていた外車に乗り込むと彼は
あのマンションまで急いで車を走らせる。
「今日は運転手さんはいないのね?!」
「これは僕の愛車!僕以外を乗せたことがないんだ」
また一つ
新しく彼のことを知った。