キラキラmemoriy




「友逢!!」
「ゆーあ!!」

咲籠が足を止め、起き上がらない友逢のもとにかけよる。

「友逢、大丈夫か?!頭打ったのか!?どこが痛い?!」

咲籠が声をかけた数秒後、友逢がむくむくと起き上がった。
長い髪に桜がくっつき、顔が覆われて表情は伺えない。
ぺったり座り込んだ友逢の肩が小刻みに揺れる。

もしかして、泣いた…のか?
そう思ったのも一瞬。

「ははっ……あははっ……あはは!!!」

急に笑い出したものだから、駆けつけた柚木、市川熊谷も目がテンになる。

あ、頭打っておかしくなったのか…??

「ごめん、ごめん!ビックリしちゃった!」
「ビックリしたのはコッチだよ!!」

届人が少し、声を上げる。

「そうだよ、ゆーあ!大丈夫!?」

一番先を走っていた市川が、友逢の髪をかき分け、顔を除く。

「全然平気ー‼久々に走ったから転んじゃった…えへへ。」

ニコっと笑顔を除かせた友逢を見て、届人がホッと息を吐く。

動かねぇからビックリした…

「ちー…こんなか弱そうな子いんだから、走るとか…考えなさいよ!まだ慣れないローファーなんだし。」
「すまん!!」
「え、え!?謝んないで!勝手に転んじゃっただけだもの。それにね、久々に走れて、すごく楽しかった!だからね、今度は…こん…ど…」

今度は、今度は…?
今度っていつだろう?

「今度は、つまづくものがないところで!!もっと軽く、走ろうか!」

市川の提案に、友逢は大きくうなづいた。

「うん!!」
「友逢、痛いところは?」
「えっと……大丈夫!!」

そう言って、ゆっくり立ち上がる友逢。

「ゆーあ。手、貸すよ」
「ちはちゃん…」
「痛いところ、本当にないわけ?」
「うん。痛くないよ。でも、ガクガクする……」

市川と柚木の手を借りて立ち上がった友逢。

「…痛そう…」

柚木が友逢の足を見て、顔を歪ませる。

「え?」

痛そうって、何が…?

「お前、打撲酷いんじゃねーの?マジでい痛くねーの?!」

しゃがんで友逢の足をつっついた届人。
でも友逢は、痛そうな顔一つしない。

付き合いは2日間だが、演技は下手そうだし、嘘とかそんなつけなさそうだよな。
なら、見た目が派手なだけか…




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