うつりというもの
この事を赤井に知らせなければ…

助けてもらうつもりじゃない。

ただ、この事を知らせなければと思った。

遥香は肘で体重をかける様にガラス戸を押さえながら、ポケットからケータイを取り出した。

フラップを開くと、赤井からの着信履歴が何度もあった。

赤井も首の異変に気付き心配して架けてくれたんだろう。

「赤井さん…」

遥香の目から涙が溢れた。

遥香は気を取り直して、その着信履歴の一つから架け直した。

トゥルルルル……

その音が消え、繋がった。

『渕上さん!』

かなり心配していた様な赤井の声。

「赤井さん…」

そう言った時だった。
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