うつりというもの
「やはり、可哀想そうではないか。これだけ身体を求めておるのに」

それは人には女の子の声で聞こえた。


「他には誰もおらぬでな、やはり、わらわが身体を探してやらねばならぬのだ」

陸奥那美姫神は、遥香の身体に載った田島理恵の首を見た。


「ほら、うれしそうではないか」

優しげな表情で言った。


陸奥那美姫神は、足元に転がる遥香の首を、そっと抱き抱えた。
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