君の向こうのココロ
神村が一方的って訳でもないのかな…。


プリクラの女はこのハートが付いてる「恵子」って人かな。


「これ、二股?」


「そう、みたいですね…。」


「なんだかな。別れてからの話だからなんとも…」


普通に略奪愛っすか。


はぁ…。


僕も略奪しちゃうぞ。


「理緒はどうも思わないの?」


「私?」


普通怒るでしょ。どちらかに怒ったり、どちらも怒ったりしないのか?


「私は神村が何しようと、感情でないですから、むしろ面白い。彼の人間性が…」


「最初から愛なんてないし、いない方がココロが楽ですから…」


「ただ…今回は相手が沙空さんだから、心配だよ…。」


理緒が切ない顔をする。


「そうだね…。沙空大丈夫かね。」


一応沙空を心配した振りをした。


「違うよ。先輩が心配なの!」


理緒が僕の腕を軽く叩く。


「僕は、大丈夫ですよ。」


「本当に?」


理緒が泣きそうな顔で聞いてくる。


うなぁ…。


僕はその顔を見るとスイッチ入っちゃうんです。


その声とその表情で、僕の全身が反応してしまう。
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