Dance in the rain

「よし、できた」
翔也が糸を切った時には、事務所にいた人たち全員が、ぐるっとあたしたちを取り囲んでいて。

「すごい……素敵」
「ほぉ……たいしたもんだな、こりゃ」
生まれ変わったドレスに、あちこちから感嘆のため息が漏れた。

「うわああっありがとう! おじちゃん、すごいねっ!! 魔法使いみたいだねっ!」
歓声をあげる美央ちゃんと、
「おじちゃん……」
青汁一気飲みしたみたいな渋い顔の翔也。

2人を眺めながら、あたしはあの、いつか見たスケッチブックを思い出してた。

翔也って……もしかして……?


「あ、美央ちゃんいた〜!!」
突然甲高い声が響いて、事務所にわらわらって、
美央ちゃんと似たようなドレスを着た女の子たちが、入ってきた。
「えりかちゃん! ゆうきちゃん!」

「よかった美央ちゃん、心配したのよ〜」
後ろからお友達ママたちも顔をのぞかせて、ホッと胸をなでおろしてる。

「どうしたの美央ちゃんのドレス! すっごいかわいくなってるぅ!」
「ほんとだ〜!」
「いいな〜!」
美央ちゃんを囲んで、お友達がうらやましそうに叫んだ。

「うふふ……」
顔をあげた美央ちゃんと、あたしと翔也。
3人、顔を合わせて笑っちゃった。
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