Dance in the rain
一呼吸おく間もないままに。
翔也の腕が伸びて腰にからみついて、
あたしは抱き寄せられていた。
「オレの、そばにいろよ」
「しょ、しょう……や?」
「パリ、一緒に来い」
落とされた言葉に、びくりと、身体が反応した。
「ずっと、そばにいろ」
そしてそれから。
顎をつかまれて、上向かされて。
強く、唇がふさがれた。
「しょ、しょう……っ」
抗議のために開いた唇を、こじあけるみたいに舌が入ってきて。
傍若無人に、あたしの口内を犯していく。
「ふ、……んんっ……ぅ……は……ぁ」
ルールもセオリーも。
何もかも無視したみたいな、感情をぶちまけたみたいな、めちゃくちゃなキス。
熱い舌にからめとられて、翻弄されて。
全身が痺れて、思考があやふやになっていく。