Dance in the rain
「なんだよ、どっかヤバイとこ打ったんじゃねえだろうな」
気味悪そうにドン引きしてるイケメンを、ちらっと見る。
ふぅん、警察、ね。
それ言うために、待っててくれたんだ? あたしが起きるまで。
それって、かなり“めんどくさい”ことじゃないの?
最低なヤツって思ったけど、そこまで悪いヒトじゃないのかも?
なんて考えて。そしたら少しだけ、心が軽くなったみたい。
あ……
その時。
あたしの頭の中で、キラって何かがひらめいた。
知らない人のとこ泊るくらいなら、こいつでもよくない? って。
最初は助けてくれたし。
思ったほど悪い奴じゃないっぽいし……。
これだけイケメンなら、女に飢えてることも、ないよね?
いきなり襲われる、とかなさそう。
深く考えることもなく、あたしは口を開いていた。
「あのさ……泊めてくれない?」
静かな病室に、その声はやけにはっきりと響いて。
そして。
あたしは即効で後悔した。