Dance in the rain

アパートまで、15分くらいかな。
コンビニの新スイーツとか、芸能人のスキャンダルとか。
話すのはいつも、どうでもいいこと。
ただそれだけだけど。あたしはこの時間が、嫌いじゃなかった。

今日もまた、同じようにダラダラ歩きながら、あたしたちは同じ道をたどって、公園に足を踏み入れた。
そこは遊具だけじゃなく、芝生スペースや噴水もある割と広めの公園で、こんな時間でも犬を連れて散歩中の老人とか、デート中のカップルとか、いろんな人とすれ違う。

あたしたちも……傍から見たら恋人同士に見えるのかな。


「ワン、ツー、ワン、ツー!」
ザッザッ! ザッザッ!

リズミカルな声と足音が聞こえてきて、思わず足を止めた。

街灯が照らし出していたのは、3人の男の子。
高校生くらいかな。
音楽流して、ストリートダンスの練習してるっぽい。

見かけるのは、初めてだな。

「外、中、外、中っ」
ガニ股、内股、ガニ股、内股……
カニみたいにすり足で移動するステップを、何度もリピートしてる。

あ、彼……すごい。
上半身のひねりや腕の振りまで加えて踊ってる、抜群にうまい子がいて。
彼が他の2人に教えてるみたい。
つま先まで、正確にコントロールされたその動きに見とれていると。
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