Dance in the rain
ようやく笑いが収まったのか、翔也はにじんだ涙をぬぐった。
「ばぁか、オレはノーマルだよ」
「え……ええっ!? そうな、の?」
「当たり前だろ。だいたい、どうしてそういう発想にぶっ飛んだんだよ?」
「だって、昨夜、寝言で純さんの名前をっ!」
「ああ寝言? 夢で見たら、みんな好きにならなきゃいけないのかよ」
「う。それは……」
本当に切なそうな声と表情だったんだよ?
……あたしの勘違い、なの?
「でも、純さん、ずっと想ってる相手がいるって……それって、翔也のことじゃない?」
「違うな」
あっさり否定されて、あたしは目をむいた。
「なんでわかるの!?」
「知ってるから。純の片想いの相手。同じ町内に住んでた同級生で……だから、他の奴から告白されて困ってる純を助けてやったんだよ」
なんだ、そうなんだ……。
嫉妬して邪魔してたわけじゃないんだ。
あたしはなぜかほっとして、肩の力を抜いた。
あれ?
胸の痛みが、収まってる……どうして?
その理由を、なんだか深く考えちゃいけないような気がして、
あたしはあたふた、言葉を探した。
「ごご……ごめんね。早とちりしちゃって」