Dance in the rain
「オーダーは、決まってトールサイズのカフェミスト。
ミルク入りが好きなお客はたいていラテを頼むから、珍しいなって意識したのが最初だった。
頬から顎へのシャープなライン。
きれいなシンメトリーのアーモンドアイ。
モデルか俳優か、ってくらい整ったカオで。
女子の理想をギュッと詰め込みました、みたいな、美形の彼。
入ってくるだけで、店内の視線を独り占めしてしまうくらい、目立つ人だった。
——カリン、ねえ、話しかけてみてよ。絶対日本人よ、彼!
同僚にけしかけられて。
あたしは、しぶしぶって風を装って声をかけてみた。
——留学生、ですか?
——え? あぁそうだけど。
少し驚いたように、でも笑顔で、彼は返してくれて。
その顔がね、ほんとに素敵なの。
邪気がないっていうか。
もう、ハートがきゅううって鷲掴みにされる感じ。
——君も留学生?
——はい。
——へえ。発音きれいだから、日系の二世か三世だと思ってた。