Dance in the rain
「そんなことねえだろ。結構いい女だと思うけど?」
さらっと飄々と。
そう言って、翔也はビールをあおった。
そんな台詞、無責任に言わないでよ。
ムッとしたあたしは「どこが?」ってからんじゃった。
「どこがって……」
「翔也ってば、もう1か月以上も一緒に暮らしてるのに、全然手ぇ出さないじゃん。それって、あたしに女としての魅力を感じないってことでしょ?」
「お前……酔ってるだろ」
「酔ってませんっ!」
「もう止めとけ」
缶ビールを取り上げようとした翔也の手を掴んで、にらんだ。
「キスして」
「は?」
「あたし、いい女なんでしょ? だったらキスくらいしたいって、思うでしょ?」
「お前な……」
呆れ顔の翔也をじぃって見つめる。
わかってる。
なんか、バカなこと言ってるよね、あたし。
全身がぽかぽかして、なんだかまぶたが重たいし。
やっぱりちょっと、酔っぱらってるのかな。
久しぶりに飲んだせいかも。ま、いっか、たまには。