鈍感過ぎる彼女の恋は。《完》
「来たのか。昼からでいいと言っただろう。」

「…。」

「小笠原?何突っ立ってんだ。来たならコーヒー入れてくれ。」

「あ、は、はい…!」




おいおいおいおい。
何々どう言う事?
社長がめっちゃキラキラして見えるんですけど!?

デスクにカバンを置いてもう一度社長を見てみる。

やっぱりおかしい。

今日はえらくカッコよく見える。

ぶんぶんと首を振り、そんなはずないと否定して、コーヒーメーカーの所まで歩く。


どうしたんだ私の両目。
昨日のお姫様抱っこ&頭ポンポンにやられたか?
そりゃあんなん初めてされたからね。
こうなっても仕方ない。

チラリ、ともう一度確認すると、キラキラは消えていていつもの社長に戻っていた。

ほら、大丈夫。


「どうぞ。」

ことりとコーヒーを置く。

「…これは?」

コーヒーの横に添えたのはサンドイッチ。

「朝食まだお済みじゃないかと思いまして。」

「お前が作ったのか?」

「はい。あ、人の作った物いやでした?」

最近は潔癖な人多いからな。
もしそうだったら違うもの買いに行こう。

「いや、そうじゃない。…ありがとう。」

「…いえ。簡単なものですみません。」


社長にお礼言われてこんなに嬉しいなんて。
自分でもビックリだ。
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