溺愛ペット契約~御曹司の甘いしつけ~
「今月の頭、その曲を武器に、レコード会社が主催するバンドのコンテストに挑んだの。そしたら大当たりだったみたいで、グランプリに選ばれたうえ、デビューに向けてトントン拍子に話が進んでるところなのよ」
「そうだったんですか……」
こだわり云々はともかく、やっぱりもともと彼らには才能があったんだよ。それが認められたのは、私もすごく嬉しい。
「……なるほど。だから美鈴さん、ホステスの仕事辞めたんですね」
ふとさっきの会話を思い出し、私は納得した。
「そういうこと。まだきちんと契約書にサインしたわけじゃないから本決まりとは言えないけど、九十九パーセントデビューできると思っていいって哲も言ってる」
「本当にすごい。哲さんにもおめでとうございますってお伝えください」
感激しながらしみじみと言うと、美鈴さんが両肘をテーブルにつき、身を乗り出して意味ありげな視線を向けてきた。
「リーチくんには、自分で言う?」
「え……」
「本人は、“デビューのことは百パー確定するまでまれには会いに行かない”って言ってるけどね。ほら、あたしは例の御曹司のことあんまり信用できないから、早々とリーチくんのもとに戻ってあげてもいいのかなって思って」