溺愛ペット契約~御曹司の甘いしつけ~
「蓮人……?」
私を囲い込むように手をつき、四つん這いで私を見下ろす彼の瞳は細められ、煽情的なその表情にドクンと鼓動が鳴る。
……おかしいな。蓮人は、酔っていないよね?
「……食事は、誰と?」
「え、あ……美鈴さんっていう……地元の先輩、だけど」
「ああ、あの時電話してきた」
「うん、そのひと……」
あの電話で美鈴さんの名前を出したのなんてほんの少しだと思うのに、よく覚えてるな。
蓮人の記憶力に感心しつつも今にも襲い掛かられそうな体勢は変わらず、ドキドキが止まない。
「近況とか……聞いたのか? アイツの」
「アイツ……?」
「言わせるな。……リーチってやつのことだ」
私に覆いかぶさったままの蓮人が、焦れたような声で私をせかす。
どうして蓮人が理一のことを聞きたがるんだろう。私を心配してくれているから?
「えっと……」
不思議に思いながらも、美鈴さんに教えられた情報を頭の奥から引っ張り出す。そして、実はデビューが……と正直に言いそうになって、寸前で飲み込んだ。
それを告げたら、この関係が終わりに近づいてしまうんじゃないかって……なんとなく、そんな気がしたから。