溺愛ペット契約~御曹司の甘いしつけ~
「稀華」
愛しそうに名前を呼ばれ、胸がトクンと波打ったその直後。
「――お前の、すべてが欲しい」
心の奥底から紡ぎ出されたような、痛切な声。そして何かを訴えるような眼差しが降り注いだ。私には、それが演技だなんてどうしても思えなくて。
「……うん。私も、蓮人が欲しい」
自然と口からこぼれたのは、紛れもない本心。それを聞いた蓮人は何かと葛藤するように一瞬目を逸らしてから、再び私を見つめる。
「後悔……しないか?」
「しないよ。だって、私は蓮人のことが――」
勢いに任せて告白してしまいそうになったそのとき、まるでその先を言わせないようにキスで唇をふさがれた。強く押し付けるように合わさった唇が離れていくと、蓮人が吐息交じりのかすれた声で囁く。
「……それ以上、言うな」
「どうし、て……ンッ」
蓮人は何も説明しないまま、私の首筋にキスを落とした。一瞬にして熱をもった身体を、ドレス越しに大きな手が這う。体のラインをなぞるように動くその手が胸のふくらみを包み込むと、私の口から思わず甘い声がこぼれた。
「……可愛い声出すじゃねえか。もっと鳴け」
煽るような言い方とともに胸を揉みしだかれ、私は体を捩る。