溺愛ペット契約~御曹司の甘いしつけ~
「鳴けって……き、今日は、ペットじゃない……もん」
命令口調にムッとしても、体は正直に反応していた。服の上から触られているだけなのに、お腹の奥の方が、痺れるように熱い。
「……ああ。そうだな。今のお前は、間違いなく俺の女だ」
ふっと笑った彼は、胸を愛撫しているのとは逆の手を太腿に滑らせ、ドレスの裾を上へ上へとずらしていく。
どうしよう、“俺の女”だなんて、嬉しい……。“今のお前”と限定されているのがわかっているのに、舞い上がってしまうよ。
かりそめの幸福とわかっていても、幾度も繰り返されるキスや休みなく与えられる甘い愛撫に、私は満たされた思いでいっぱいになる。
「稀華……」
「蓮人……」
やがてお互いに衣服を取り去った私たちは、改めて見つめ合い、名前を呼びあった。まるでこの先も、恋人としての時間が続いていくんじゃないかと勘違いしてしまうほどの、愛しさを滲ませて。
蓮人の手が私の膝に添えられ、ゆっくり開かれていく。私の体はすでに十分すぎるほど準備ができていた。
そして、とうとう彼とひとつになれる――。そんな期待が最高潮に達したときだった。
静かな部屋に、軽やかな電子音が鳴り響く。
「電、話……?」
軽く上体を起こして、音の出所を探す。どうやら床に脱ぎ捨てられた蓮人のジャケットの辺りから鳴っているようだ。