溺愛ペット契約~御曹司の甘いしつけ~


あるとすれば、それはあなたの心だけ――。

胸の内で呟き、切なげに蓮人を見る。彼はそれに応えるように私の緩くパーマがかった髪を一束優しくつかみ、そこにキスをしながら目を閉じた。

でも、やがて意を決したように目を開けた彼は、スッと髪の毛を手放して淡々と告げた。


「……お前を、所有物みたいに扱うのはもう終わりだ」

「え……?」


それって、どういう意味……? 怪訝な顔をする私に、蓮人はさらに説明を続ける。


「“檻の中から出る自由”――それが、俺からのプレゼントってことだ。それから……」

「ちょっと待って。“檻の中から出る自由”って……? 私、もう蓮人のペットじゃいられないの?」


頭の中が混乱でいっぱいになり、思わず蓮人を問い詰める。けれど蓮人はハッキリ答えてくれず、私から目を逸らした。


「ねえ……答えて。どうして、なの……?」


もう一度、蓮人に問いかける。そのとき、重い沈黙を切り裂くように、蓮人のスマホが再び音を立てた。

さっきとは違い今度はすぐに着信音が途切れ、なんとなくホッとした私の耳に、蓮人の口からさらなる衝撃的な事実が明かされる。


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