もう泣いてもいいよね
私はいつまでもベンチで、通り過ぎる人々や風景をぼーっと見ていた。


気が付けば、日も暮れかかっている。

こんなに、何も考えずにのんびりしたのは何年振りだろう。

都会の真ん中にいながら、誰にも声もかけられず、のんびりできたことに驚いたが、それも「都会」だからなのだろう。


ある意味、孤独。

私は、孤独な人が集まったこの都会に、何を期待していたのだろう…


こんなに長く座っていたのに、疲れは全く感じなかった。

ストレスから解放されると、人はこんなに元気になれるの?


ふと、子供の頃は疲れも知らずに遊び回っていたのを思い出した。

そっか、これが元々の状態か。

現代人はストレスで疲れ切っているだけなんだ。

きっと…
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