嘘つきな恋人
「…美鈴ちゃん?」と控えめな男性の声で、振り向くと、
Dragonのカウンターにいた男が傘をさして立っていた。
「さっき、帰ったと思ったのに、また会っちゃったね。」と傘をさしかけてくる。
「…三島…さん。でしたね。
えっと、帰るところでした。…」と歩き出そうとすると、
「涙。拭いてからにしたら…。
男と喧嘩した?
君が帰ってから、ドラゴンが『今度は別れられるといいな。』って
君と一緒にいた女の人に言ってたのが聞こえちゃって…
あの人ってドラゴンの奥さんだよね。同じ指輪してたし…」
と私の顔を少し伺うように見る。
…まあ、仕方ないよね。
私は息をついて、
「…ありきたりな話です。
医者に浮気された看護師ってやつ。
昼ドラにもならない、よくある話ってやつですよね。」
と自嘲気味に言いながらバッグからハンカチを出す。
「そう?
本人達にとってはありきたりってわけじゃないでしょ。
君は真面目そうな雰囲気だし、
ちゃんと付き合ってたんでしょ。
そんな風に泣くほど悲しいんだしね。」
と言いながら、
私が涙を拭いている間。
電車から降りてきた人からの視線をから隠すように
私の上に傘をかざしている。
喋りかたが軽そうだけど、
気遣いが出来る人だし、
こうしていると結構年上かもしれない…
と綺麗な茶色い瞳を見上げてみる。
やっぱり、王子。だな。
泣いてるオンナを放っておく事が出来ないみたいだ。
Dragonのカウンターにいた男が傘をさして立っていた。
「さっき、帰ったと思ったのに、また会っちゃったね。」と傘をさしかけてくる。
「…三島…さん。でしたね。
えっと、帰るところでした。…」と歩き出そうとすると、
「涙。拭いてからにしたら…。
男と喧嘩した?
君が帰ってから、ドラゴンが『今度は別れられるといいな。』って
君と一緒にいた女の人に言ってたのが聞こえちゃって…
あの人ってドラゴンの奥さんだよね。同じ指輪してたし…」
と私の顔を少し伺うように見る。
…まあ、仕方ないよね。
私は息をついて、
「…ありきたりな話です。
医者に浮気された看護師ってやつ。
昼ドラにもならない、よくある話ってやつですよね。」
と自嘲気味に言いながらバッグからハンカチを出す。
「そう?
本人達にとってはありきたりってわけじゃないでしょ。
君は真面目そうな雰囲気だし、
ちゃんと付き合ってたんでしょ。
そんな風に泣くほど悲しいんだしね。」
と言いながら、
私が涙を拭いている間。
電車から降りてきた人からの視線をから隠すように
私の上に傘をかざしている。
喋りかたが軽そうだけど、
気遣いが出来る人だし、
こうしていると結構年上かもしれない…
と綺麗な茶色い瞳を見上げてみる。
やっぱり、王子。だな。
泣いてるオンナを放っておく事が出来ないみたいだ。