嘘つきな恋人
江ノ電の駅に並んで入って
「どっち方面?」と聞かれ、帰るわけにはいかない。と返事をためらうと、
「ああ、こんなこと聞くと、警戒するよね。」とくすんと笑われたので、
「い、いいえ。そう言うことじゃなくって…
えっと、部屋に恋人が来てるので…
帰れないなって…思ったところです。」
と思わず言って、目が合うと、三島さんの顔が王子から男の顔になっていく。
ハッとして、目をそらし、俯くと、
「それって俺を誘ってる?」と三島さんは声が低くなる。
…いや、誘ったつもりではない。私が首を横に振ると、
「そうだな、
次に店であっても知らん顔をしておけばいいんじゃないかな?」と笑った声を出す。
呆れた言動に私が顔を上げて睨むと、
「お、いいねえ。その眼。
俺と寝ちゃえば男と別れる決心がつくんじゃない?
美鈴ちゃん、真面目そうだし…。
戻れなくなるでしょ。」と私の瞳を覗き込んで、私に掌を見せる。
「浮気されても好きなんて、ダメだろ。
俺の手を掴んだら?
君と寝たくなったな。
俺もちょうどいいよ。
好きだった女の子にフラれたばっかりなんだ。
真剣に好きだったのに他の男と結婚するんだよ。
俺は君が誰を好きでも気にしない。
半年以上女の子と寝てないし、リハビリにちょうどいい。」と王子の笑顔で微笑んだ。
…リハビリ?
何言ってるの?!
私が後ろを向いて立ち去ろうとすると、
「今、俺の手を掴まないと、別れられなくなるぞ。」
と声をかけられ、歩き出した足が止まってしまう。
そうかもしれない…
また、
あの男が謝ったら?…
もう、浮気はしないって。
愛してるのは美鈴だけだって
そう言われたら…?
「美鈴。」と呼ばれ、振り返ってしまった。
「その男と別れさせてやる。」
と三島さんがニッコリ微笑んで私に手を差しだす。
私は堪えていた涙を落として、三島さんの大きな手をそっと掴んだ。
「どっち方面?」と聞かれ、帰るわけにはいかない。と返事をためらうと、
「ああ、こんなこと聞くと、警戒するよね。」とくすんと笑われたので、
「い、いいえ。そう言うことじゃなくって…
えっと、部屋に恋人が来てるので…
帰れないなって…思ったところです。」
と思わず言って、目が合うと、三島さんの顔が王子から男の顔になっていく。
ハッとして、目をそらし、俯くと、
「それって俺を誘ってる?」と三島さんは声が低くなる。
…いや、誘ったつもりではない。私が首を横に振ると、
「そうだな、
次に店であっても知らん顔をしておけばいいんじゃないかな?」と笑った声を出す。
呆れた言動に私が顔を上げて睨むと、
「お、いいねえ。その眼。
俺と寝ちゃえば男と別れる決心がつくんじゃない?
美鈴ちゃん、真面目そうだし…。
戻れなくなるでしょ。」と私の瞳を覗き込んで、私に掌を見せる。
「浮気されても好きなんて、ダメだろ。
俺の手を掴んだら?
君と寝たくなったな。
俺もちょうどいいよ。
好きだった女の子にフラれたばっかりなんだ。
真剣に好きだったのに他の男と結婚するんだよ。
俺は君が誰を好きでも気にしない。
半年以上女の子と寝てないし、リハビリにちょうどいい。」と王子の笑顔で微笑んだ。
…リハビリ?
何言ってるの?!
私が後ろを向いて立ち去ろうとすると、
「今、俺の手を掴まないと、別れられなくなるぞ。」
と声をかけられ、歩き出した足が止まってしまう。
そうかもしれない…
また、
あの男が謝ったら?…
もう、浮気はしないって。
愛してるのは美鈴だけだって
そう言われたら…?
「美鈴。」と呼ばれ、振り返ってしまった。
「その男と別れさせてやる。」
と三島さんがニッコリ微笑んで私に手を差しだす。
私は堪えていた涙を落として、三島さんの大きな手をそっと掴んだ。