【完】こちら王宮学園ロイヤル部



「……相変わらずすげえ盛り上がりだったな」



「あの席にいるのがつらい」



「朝ごちゃごちゃ言ってたのは解決したのか?」



「え? ああ……まあ、解決した、かな」



先輩と付き合うことはならないし、好きと言うこともないんだろうけど。

ひとまず朝話したおかげで、気まずい雰囲気はなくなったし。



「そっか」



そう言って、大和は頭を撫でてくれて。

「浮気じゃないの?」って言ったら恨めしそうにしながら手を離したから、思わず笑ってしまった。




「文化祭の出し物決めますよー」



話していたら、担任の先生が入ってくる。

それから「何がいいですか?」と聞いた途端に、飛び交う様々なメニュー。



たこ焼き、焼きそば、クレープ、わたあめ。

王道のものは文化祭に必須だろうけど、15クラスある中でバランス良くわけるのは難しい。



今回は希望を提出するだけで、後日話し合いが行われるみたいだけど。

纏まらないからと苦笑した先生が実行委員のわたしと大和を指名したから、教壇に立ったところで。



「そういえば木崎って姫川さんのこと好きじゃなかった?

いま葛城さんと付き合ってるよね?」



クラスメイトの女の子の発言で、教室内が別の盛り上がりを見せてしまう。

まさかそんなことを言われると思ってなくて目を見張っていれば、大和が「いいから」と誤魔化してくれるのだけれど。



「もしかして姫川さん、木崎のことフった?」



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