【完】こちら王宮学園ロイヤル部



いたずらっぽい笑みで聞かれて、言葉に詰まる。

フったんだけど、フったって言いづらい……!



「どうなんだよー大和ー」



「はあ……そーだよ」



「ほら!やっぱそうなんじゃん……!

でもまあ仕方ないよね。姫川さん今ロイヤル部の人だし、大和よりみーんなかっこいいし」



「うるせえわ」



……あれ。 あれ?

なんだかみんな「だよねー」って顔してるけど。



わたしがロイヤル部にいること、良く思ってなかったんじゃ……と。

女の子たちの楽しげな会話についていけなくてぱちぱちと目を瞬かせていたら、わたしの視線に気づいたように最初口を開いた彼女がにやっと笑う。




「珠王先輩、ずーっと姫川さんのこと優しい目で見てんだもんー。

今日の朝もわざわざ姫川さんのこと待ってたらしいしさぁ?」



「そうそう」と盛り上がる女の子たち。

しかも、「ロイヤル部のみんなが姫川さんのこと守るみたいな立ち位置だよねー」とまで言われてしまって。



「溺愛されてるお姫様!って感じだしー。

なんかもう勝てっこないよねーって」



溺愛されているかは、別として。

そんな風に言われるなんて思ってなくて、しばらくぼーっとしてしまうわたし。



「珠王先輩と付き合ってないの?」



「えっ!? つ、付き合ってはない……!」



「……"付き合っては"?」



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