【完】こちら王宮学園ロイヤル部



ニヤニヤと笑みを深める女の子たちに、「あ」と固まったところでもう遅い。

「何かあるんだ?」と質問攻めにされそうになって慌てていたら、「話し合いするぞ」と大和が庇ってくれた。



「これ終わらないと帰れねーんだからな?」



「あ、そうだった。

あたしパンケーキがいいー」



「パンケーキって……

俺らやるの店じゃなくて屋台だからな」



……なんだかまだ熱気が冷めてないけど。

無事に話が逸れてくれたことにほっとして、わいわいと出し物の候補を上げる。提出する紙には、第3希望までを書く欄があって。



「んじゃケーキ、わらび餅、たこ焼きな」



多数決を取った結果、うちのクラスはその3つを提出するらしい。

王道が第3希望だから、ケーキかわらび餅のどっちかが通りそうだな……と思いつつ。




「姫川さーん」



内容が決まったため、ホームルーム終了。

挨拶を終えて解散したのと同時に、先生に課題をすべて渡し、さてC棟へ……と思っていたところで。



「……わたし?」



女の子たちに名前を呼ばれて歩み寄れば、がっつり囲まれて。

何かと思えば「ロイヤル部のみんなとどういう感じなの?」と聞かれてしまう。



「っていうかムカつくって思ってたけど、

なんだかんだ姫川さん美人なんだよねー」



「めっちゃ肌きれいだしねー。

っていうかさ、ちょっと姫川さんに化粧したいんだけど」



大和に助けてもらおうとしたけれど、みさとが来たからと言って帰ってしまうし。薄情な男だ。

今日はこれで終わりだからとみんなが帰っていく中、わたしは女の子に囲まれてメイクされながら質問攻めに遭い。



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