シンデレラの魔法は解けない
「でも、藍ちゃんは恥ずかしい俺の姿を見ても、嫌いにならなかったよね?」
「嫌いになんて、なれないです!」
あたしは泣きそうだ。
「そんな素の平さんも含めて、あたしは平さんが大好きなんです!」
我ながら、驚くほど積極的な告白だ。
胸がひたすらドキドキして、甘く切なく痛む。
平さんの好きな人は、原あかりではなかった。
だけど、その心はやっぱり、あたし以外の女性に向いているのだろう。
そして、その女性もかっこよくない平さんを見たら逃げていくのだろうか。