シンデレラの魔法は解けない
「平さん、ちゃんと言ってくれないと分かりません」
「うん?」
「あたしのこと、ちゃんと好きって言ってくれないと、分かりません」
平さんは紅く染まった顔で、あたしを見る。
いつものスマートな平さんとは違う余裕のない表情に、胸が大きな音を立てる。
「藍ちゃん……」
平さんはあたしの頰にそっと手を伸ばす。
その大きな手が優しく触れ、ぞわっと身体が震える。
そして、身体中がきゅんきゅんうるさい。
「藍ちゃんはイジワルだね」
甘い視線が絡まって、引きつけられるように顔が近付く。
そして、唇と唇が微かに触れる。
平さんの香りとともに、煙草のにおいがする。
そして、それが酷くあたしの頭を掻き乱す。