わたし、結婚するんですか?
 そうだ。
 スケジュール帳ないままだった、と。

「どうした?
 まだ見つからないのか、スケジュール帳」
と遥久が言ってくる。

「え、あ、はい」

「まあ、どうせ、予定アリ、としか書いてないんだろ」
と鼻で笑って、遥久が言う。

 この人、いつも行きがけの駄賃とばかりに、とりあえず、私をなじるのはどうにかならないのだろうか。

 いまいち愛が感じられない、と思っていると、遥久のスマホが鳴った。

「失礼」
と立ち上がって、遥久は外に行く。

 誰からなんだろ。

 また、仕事? と思い、振り返っていると、盛田が、
「でも、意外ですよー。
 先輩がこんな早くに結婚されるなんて」
と言ってきた。

「余程、洸さんのことがお好きなんですね」

 いやー、そんな人の良さそうな顔で微笑まれると、そうなんですかねー、と思ってしまうではないですか、と赤くなっていると、
「なんだか一生独身で居そうな人だな、と思ってたんですけど」
と盛田は言う。
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