わたし、結婚するんですか?
「なにやってるんですか。

 なにやってるんですかーっ。

 自分が話すなって言ったんでしょっ?」

「大丈夫だ。
 軒端課長はぺらぺら人に話すような人じゃないから。

 ほら、降りろ」
と急かされ、

「何処に行くんです?」
と悠木を見る。

「スーパーに決まってるだろ。
 スーパーの駐車場なんだから」

 降りながら、遥久は、
「俺は今日はベトナム風生春巻きを作る」
と突然、宣言した。

 カレーを作ってから、なにか料理の道にはまったようだ。

 まあ、もともと好きなのかもしれないが。

 趣味で男の人が作る料理というのは、毎日のことではないので、法外な金や手間隙かけるから厄介なんだが、と父親や章浩のことを思い出しながら洸は思う。

 しかし、そこで、唐突に遥久は言ってきた。

「あとの料理はお前が作れよ」

 ええっ?

「俺の作る素晴らしい生春巻きと並んで見劣りのしないものを」

 さっさとスーパーに入ってカゴとカートを取りながら、遥久は言ってくる。
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