わたし、結婚するんですか?
「……ベトナムに鍋ありましたっけ?」
と呟くと、

「なんでも鍋に逃避するな。
 第一、暑いぞ、洸」
と言ったあとで、遥久は前方を見る。

 何故か瓜を吟味している葉山が居た。

「葉山」
と遥久が声をかける。

「なにしてる?」

「いや、子どもの頃、ばあちゃんが井戸で冷やしていた瓜がものすごく美味しかったんで」
とまた唐突なことを言い出す奴が現れた。

 だが、遥久は、ああ、わかるわかる、と頷いている。

 ……わかるのか。

 その後、二人で、よく冷えた瓜の美味しさについて語り出し、いつの間にか、
「よし、葉山。
 お前も来い」
と遥久が言い出していた。

「……来いって何処にですか?」
と洸が言うと、

「お前のうちに決まってるだろう」
と遥久は言う。

「何故、私のうちなんですか」

「近いから。
 そして、チャトランが居るからだ」

 ちゃんとクーラー少しかけてきたか、と説教が始まる。
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