わたし、結婚するんですか?
「よし、出来た。
洸、せめて運べよ」
とキッチンから振り返り、遥久が言ってきた。
いや……なんか私がサボってたみたいになってるんですけど。
単に貴方がたがやらせなかっただけですからね、と思いながら、自分ではこうはならないな、と思う生春巻きの中の細切りのキュウリを運びながら見る。
洸の家にはスライサーとかカッターとかの便利な調理器具がないので、手でやったようなのだが、芸術品のように美しい。
男の人の方が几帳面なとこあるもんな、と思いながら、チャトランに足にまとわりつかれつつ、それを運ぶ。
ゴマだれと辛めの赤いタレと。
私はゴマだれが好きだな、と思いながら、それらも運んだ。
すると、キッチンでまだなにかしている遥久が、
「洸、これはタオルか、雑巾か?
洗ってあるのか?」
とかつては可愛らしかったタオルをかかげ、遥久が訊いてくる。
「タオルですよー。
ちゃんと洗ってるんですけど。
捨て時がわからないんですよー」
と言うと、
「今だろ」
と言われる。