わたし、結婚するんですか?
 



「よし、出来た。
 洸、せめて運べよ」
とキッチンから振り返り、遥久が言ってきた。

 いや……なんか私がサボってたみたいになってるんですけど。

 単に貴方がたがやらせなかっただけですからね、と思いながら、自分ではこうはならないな、と思う生春巻きの中の細切りのキュウリを運びながら見る。

 洸の家にはスライサーとかカッターとかの便利な調理器具がないので、手でやったようなのだが、芸術品のように美しい。

 男の人の方が几帳面なとこあるもんな、と思いながら、チャトランに足にまとわりつかれつつ、それを運ぶ。

 ゴマだれと辛めの赤いタレと。

 私はゴマだれが好きだな、と思いながら、それらも運んだ。

 すると、キッチンでまだなにかしている遥久が、
「洸、これはタオルか、雑巾か?
 洗ってあるのか?」
とかつては可愛らしかったタオルをかかげ、遥久が訊いてくる。

「タオルですよー。
 ちゃんと洗ってるんですけど。

 捨て時がわからないんですよー」
と言うと、

「今だろ」
と言われる。
< 148 / 368 >

この作品をシェア

pagetop