わたし、結婚するんですか?
 結婚するかどうかもわからなくなったし。

 まあいいか、と思って、店に入った。

 ドレスを着るのならと太らない方がいいかと思い、少しは節制していたのだが。

 店で、並ぶ鮮やかなジェラートを見ながら迷っている間、外を遥久が駆け抜けていったのだが、気づかなかった。

 遥久が言うように、盛田のところですぐに出会えたのが運命なら、此処ですれ違ったのも運命だろう。

 別に遥久より、ジェラートを選んだわけでもないのだが。

 店内の椅子に腰掛け、冷たいパイナップルとココナッツのジェラートを食べる。

 美味しいな。

 課長と一緒に食べたかったのに、と思うと、じんわり泣きそうになった。

『落ち着け、洸っ。
 すべては、お前と出会う前のことだ!』

 そんな遥久の言葉が耳に蘇る。

 そう。
 今、遥久が別の女性を好きというわけでもないし。

 危険なくらい愛情を注いでくれているというのに……。

 自分がこだわらなければいいだけの話だ。
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