わたし、結婚するんですか?
 そしたら、今すぐにでも、課長と並んでジェラート食べられるのに、と思いながら、洸は食べかけのジェラートを眺める。

 でも、ショックだったんだ。

 課長が他の人とキスしてるの見たとき。

 それも、あんな大人っぽい美女と。

 見るからに仕事も出来そうだったなー。

 ……いや、すごいミスしてたけど、と思い出したくもないのに、なんであんなところに居たのか、橋げたの陰でキスしていた二人を思い出す。

『洸ちゃん、あそこの人たち、チュッてしてるよ』

 そんな幼い女の子の声が頭に蘇った。

 そうだ……。

 おにーちゃんとこの美沙ちゃんだ。

 章浩の子どもたちが晩ご飯まで、川で釣りをするというので、
『お前、夕食の手伝いしないんだろ?
 付いて行ってこい』
と章浩に祖母の家から追い払われたのだった。

 そうだ。
 あんなとこ見ちゃったの、おにーちゃんのせいじゃないか。

 おのれ、と完全に逆恨みな逆恨みをする。
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