わたし、結婚するんですか?
「お前も他の男とキスして来い。
 それでチャラだ」

 ……待て、今、二人と言ったか?

 知らない間に、他もあったのか?

 泳げるものなら、この海に飛び込んで、物凄い勢いでクロールして、この人の居ない国にでも行きたい、と思ってしまったが、これ以上、追求して、神経を磨耗するのも、もう嫌だった。

 よく、旦那が浮気するなら、気づかないようにやってくれとか言う人が居るが、本当だ。

 いや、本当でない。

 課長が他の人となんてっ。

 やっぱり、嫌だーっ、と錯乱している洸の前で、言った遥久も錯乱していた。

「ただし、他の男とキスするなら、俺の目の前でやれよ。
 すぐに相手を斬り殺すから」

 新村が、
『あの人、貴女にフラれたら、きっとなにかの犯罪者になる』
と言っていたことを思い出す。

 介錯は任せた、とかよくわからないことを言ってくる。

「ともかく、俺はお前にキスされたときから、お前のことしか考えられなくなったんだ」

 ……今、なんと?
< 297 / 368 >

この作品をシェア

pagetop