わたし、結婚するんですか?
「本当か? 洸。
他に好きな指輪があるのなら言え。
お前が欲しいと思う物なら、どんなものでも手に入れてやる。
お前がずっと俺との愛の証にはめていてくれるのなら」
うっかり指輪を外して街を歩いて、他の男に言い寄られたりしてはかなわないからな、と思いながら、遥久は言った。
「いざとなったら、じいさんの遺産をつぎ込んででも。
いや、まだ死んではいないが……」
と言う自分の目つきに、洸は、
「今すぐ、遺産を発生させる事態にしないでください……」
と怯えたように言ってきた。
ホープダイヤとか、美術館とかに展示されてる指輪とかがいいとか言い出したら、どうしよう。
俺は怪盗になれるだろうか。
子どもの頃、アルセーヌ・ルパンは公民館の図書室でむさぼるように読んだが、というところまで、頭の中は行っていた。
早く洸と結婚して落ち着かねば、自分がなにをするかわからない、と思っていた。
こんな正気を失わせるものが恋だと言うのなら、俺はやっぱり、今まで、恋なんてしてなかったんだな、とあのとき、改めて思ったのだった。
他に好きな指輪があるのなら言え。
お前が欲しいと思う物なら、どんなものでも手に入れてやる。
お前がずっと俺との愛の証にはめていてくれるのなら」
うっかり指輪を外して街を歩いて、他の男に言い寄られたりしてはかなわないからな、と思いながら、遥久は言った。
「いざとなったら、じいさんの遺産をつぎ込んででも。
いや、まだ死んではいないが……」
と言う自分の目つきに、洸は、
「今すぐ、遺産を発生させる事態にしないでください……」
と怯えたように言ってきた。
ホープダイヤとか、美術館とかに展示されてる指輪とかがいいとか言い出したら、どうしよう。
俺は怪盗になれるだろうか。
子どもの頃、アルセーヌ・ルパンは公民館の図書室でむさぼるように読んだが、というところまで、頭の中は行っていた。
早く洸と結婚して落ち着かねば、自分がなにをするかわからない、と思っていた。
こんな正気を失わせるものが恋だと言うのなら、俺はやっぱり、今まで、恋なんてしてなかったんだな、とあのとき、改めて思ったのだった。