臆病者で何が悪い!


結局その週は、生田は土日ともに休日出勤していた。そんな中でも、土曜日の朝に一度生田が電話をくれた。

(これから仕事行くところなんだけど。この週末は両方とも休めなくなった。日曜は休めると思ってたんだけどな)

その声に、少し元気がなくて心配になった。

「結構、大変みたいだね。私も何か手伝えることがあればいいんだけど、今回の案件はちょっとそういうものでもないもんね」

係は違うとは言えど同じ課だ。係同士で助け合うことも多い。でも、今回はそういう類のものではなかった。

(こうして声を聞かせてくれるだけでも十分。ただ、平日は顔を見られるけど土日出勤は内野の顔見られないからその分だけやる気はそがれるけど)

「ま、またそんなこと言って、私をからかって」

本気とも冗談ともつかない口調に、いつも私は振り回される。

(……別に、からかっているわけじゃないんだけどな。じゃあ、行って来る)

「行ってらっしゃい」

こうして話す時間の分でも、休んでほしいと思う。
私なんかに気を使う必要ないのに――。私は本気でそう思っていた。

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