臆病者で何が悪い!
「ちょっと、も、もう、私、これ以上はーー」
「まだ、だめだ、離さない……」
本当に、おかしくなる――!!
「こんなんで、離すわけないだろ。この一週間、どれだけ耐えてたのか分かってんの?」
乱れた呼吸から吐き出される生田の声は、ところどころ掠れて……怖いくらいに身体の芯になまめかしく響く。そんな声で耳元で囁かれたら、またあっと言う間に飲み込まれて我を忘れてしまう。
「……や、お願い、待っ――」
「毎日、近くで顔合わせてるのに、指一本触れられない」
止まることのない、その長い指の動き。
「ねっ、い、くた……っ」
「一方的に、あんな、おまえらしからぬ可愛いことを電話なんかで言いやがって……。たまらなくなったところで、手出しも、出来ない……」
「あ……も、だめっ」
その手のひらが私の首筋に這い上がり、顎を掴む。
「――生殺しもいいところだ」
「ん……っ」
今度は、私の意味をなさない声を封じ込めるように唇を塞がれた。顎を支える生田の手の指がゆっくりと耳たぶに触れ、絡められる舌の感触と同時に起こる快感に訳が分からなくなる。
土曜日の夜に生田の部屋に来て、身体を解放してもらえたのは、空に太陽の気配が現れ始めた頃だった。もう、恥ずかしいくらいに身を捩らせたから、物凄く疲れている。
だって、あまりに気持ちよくて。
なんと言うか……これって、生田が『上手い』ってこと――?
私は、生田の他には一人しか経験がないわけで、たいして知りもしないけど、元カレとは全然違うということだけは分かった。