臆病者で何が悪い!
一週間前、初めて生田と身体を重ねた時は、緊張と必死さで一杯で、無我夢中だった。だから、あの時は何も考えられなかったけれど、今回はーー。生田から与えられる快感をちゃんと感じられて、その温もりと触れられる心地よさが、実感出来た。息つく間も与えないほど次々と波が押し寄せて来るような快感……。
もしかして、慣れてるーー?
そんなことをつい考えてしまう。
「沙都……、大丈夫か? 少し、無理させた?」
生田が、私の身体を労わるように腕を回す。汗ばんだ頬に張り付いた髪を優しくかき上げて、露わになった額にキスをして来た。
激しさの後のこの甘さ、一体私をどうするつもりーー?
「い、生田って、やっぱり、これまでもモテて来たよね……」
慣れていても当然だ。生田ほどの男だ。当たり前過ぎることを聞いてしまった自分に呆れる。
「ん……? どうした急に」
「ううん。何でもない」
慌てて首を振る。そのいつもと違う甘い声を聞いているだけで、自分自身の人格まで崩壊してしまいそう。
「……もしかして、俺の過去が気になるようになった、とか?」
何故だか嬉しそうにそう言うと、私を強く抱きくるめて来た。
「わ、私は別にーーきゃっ」
素肌同士の身体が再び密着する。
「そんなことでこんなに喜んでるなんて、俺もいよいよぶっ壊れて来たかな」
「ちょっと、生田!」
抵抗しようと抗っても、その腕の力は緩まない。生田の胸と腕の狭間で押し潰されそうだ。
「……やばい。また、したくなった」
「も、もう、結構ですっ!」
こっちが、ぶっ壊れてしまうよ。