臆病者で何が悪い!

「今月の23、24の土日って、何か予定ある?」

結局、外でランチをするのは落ち着かないと言った私のために、生田が作ってくれた手料理をいただいた。本当に美味しい。ぱぱっと作ったとは思えない、スパゲッティナポリタン。それを頬張っていると、生田がそうたずねて来た。

「24日って、クリスマスイブだよね。もちろん、予定なんてないけど……」

クリスマス・イブーー。それは、恋人たちが二人の世界に入り込む聖なる夜。まさに、独り身が板についていた私が、完全スルーした行事の一つだ。自分に刷り込んでいた。それは、ただの『24日』だと。

「じゃあ、両方あけとけよ」

それだけを言うと、生田は食べ終えた皿を持ってキッチンへと立ち上がってしまった。

「両方って、泊まり? どこか行くの?」

キッチンに立つ生田に向かって声を張り上げる。

「まあ、その日になったら分かるから。おまえは、泊まりの準備だけして楽しみにしておけ」

「楽しみにって……」

それくらい、教えてくれてもいいのに。ミステリーツアーですか。

でもーー。クリスマスイブの日に家族じゃない誰かと過ごすなんて、初めてかもしれない。

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