蜜月なカノジョ(番外編追加)
「でもさ、冗談抜きでそんな怖い顔ばっかしてると杏ちゃんだって不安になっちゃうわよ?」
「…え?」
怖い顔…?
「もしかして自分で気付いてない? 暇さえあればぼーっとして眉間にこーんな深ーい皺寄せて。自分でわかってないってことは杏ちゃんの前でもやっちゃってるんじゃないの?」
「……」
グリッと抑えつけられた眉間には確かに葵の指がめり込んでしまっている。
無意識のうちに、杏を不安に…?
「あんた自分で言ってたじゃない。杏を守るのは俺だって。傷つけたりしたくないって。だったらその怖くて辛気臭い顔はやめなさい。どうしてもそうなるっていうんなら思いきって聞いちゃいなさいよ。きっと杏ちゃん話してくれると思うけど? もし心配してたような過去があるんなら、それごとあんたが受け止めて愛してやればいいじゃないの」
「受け止めて、愛する…」
「あら、あんたってばもしかしてその自信すらないんだ?」
「はぁっ? そんなわけねーだろうがっ!!」
ガッタンと凄い勢いで立ち上がった俺に、さすがの葵も後ずさってびびっている。