蜜月なカノジョ(番外編追加)




「はわ~~…」

これで何度目になるのか。それでも止められない。
口を開けたマヌケ面でただただ驚くだけのリアクションを。
そんな私を見ながらナオさんが笑ってるのを肌で感じるけど、そんなことを気にしている余裕すらない。

「少しでも気に入ってもらえた?」
「気に入ったも何も…すごすぎて…」

人間って感動し過ぎると言葉も出てこなくなるのね。

「ずっと前に仕事でこの旅館に携わったことがあって。すごくいいところだな~とは思ってたんだけど、俺もプライベートでこんなところに来る縁なんてなかったから。でも杏との旅行が決まったとき、真っ先にここに二人で来たいって思ったんだ。今ならちょうど雪の季節だし」
「…ありがとうございます。こんなに素敵なところに連れて来てもらえて…本当に嬉しいです」

ようやく振り返った私に、ナオさんも嬉しそうに微笑み返してくれた。



半ば引き摺られるようにして連れて来られたのは、見るからに高級だとわかる純和風な佇まいの旅館。こんな格好で入っていいんだろうかと恐縮しまくりの私を、女将さんは満面の笑みで出迎えてくれた。

そして聞いてびっくり見てびっくり。
なんと部屋は離れになっていて、玄関から渡り廊下、そこから見える中庭一つ一つが非現実的な美しさで、それはこうして部屋の中に入った今でも変わらない。
広い室内は和洋室となっていて、趣のある中にもモダンな空間が広がっていた。

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