蜜月なカノジョ(番外編追加)
「つけてくれるかな?」
「…っ、もちろんです…!」
ブンブンと激しく首を上下させる私に笑いながら、ナオさんの両手が私を抱きしめるような形で首の後ろへと回った。
後ろからじゃなくこうして正面向かってつけてもらえることが、私達が恋人同士なのだということを実感できてくすぐったい。
「…うん。やっぱりよく似合ってる」
ネックレスをつけた私を見ながら満足げに頷くナオさんの姿に、私の中から言葉に出来ない感情が湧き上がってくる。
それをナオさんにどう伝えていいかもわからない。
自分じゃコントロールできないほどの想いが、次から次へと。
そんな感無量に浸る私の左手をとると、ナオさんは薬指へとチュッと唇で触れた。
「本当は指輪をあげたかったんだけど…仕事中はできないだろ? だからいつでもつけてもらえるようにネックレスにしたんだ。こっちはまたそのときが来たら…ね?」
「えっ…?」
その言葉にドキンと胸が高鳴る。
「そのとき」…って…?
驚いて声も出せない私にニッコリ微笑むと、ナオさんはもう一度指へと唇を落とした。
その姿はさながらおとぎ話に出てくる王子様のようで。