春色のletter
『一度、ギターを持ってうちに来てくれたよね』


と書いた時は、スルーされた。


たった一度だけ、母から許してもらった休日のデートは、我が家に来ることだった。


うちに来て何をする?ってのがあって、当時バンドもやっていた彼はギターを持ってくることになった。


でも、彼はドラムスで、ギターはお世辞にも上手とは言えなかった。


だから、弾くのはすぐにやめたことを覚えている。


ハルにとっては、あまり触れられたくないコトらしい。


そんなことを繰り返しながら、手紙のやり取りだけをしているけど、それは、トラブルのほとぼりが冷める半年くらいのことだと思っているからだった。


半年すれば、またハルに会える。


そんな気がしていた私は落ち着いて、手紙だけに集中できた。
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