春色のletter
佐伯さんちに着くと、沙也さんと美沙ちゃんが出迎えてくれた。


リビングに入ると、既に陽は落ちて夜景の世界だった。


「相変わらずきれいですね」


「そうね。でも、ずっとうちにいるのもつまんないものよ」


「え?そうなの?」


佐伯さんが情けない顔で振り向いた。


「ああ、でもあなたがこうしてよく誰かを連れてきてくれるから、料理するのは楽しいのよ」


「そうかい?いつもみーちゃんと二人だけにしてごめんね」


「ううん」


佐伯さんと沙也さんが、ピンクのハートをたくさん飛ばしながら見つめ合っている。


「あのふたりはほっといて、わたしのへやにくる?」


ソファの隣でちょこんと座る美沙ちゃんが、私の袖を引っ張った。


「そうだね…」


私は二人の邪魔をしないように、美沙ちゃんに付いていった。
< 196 / 487 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop