春色のletter

「これ機関誌?」


「うん。ずっと昔から出されているみたい」


「ハルは何か描いた?」


今見た本をしまいながら軽く振り返ると、ハルが私の後ろから手を伸ばした。


少し抱かれるような感じになって、どきっとした。


ハルの手は端の方の本を取り出した。


「これ」


私はちょっと跳ねる心臓を押さえながら、受け取った。


パラパラとめくると、ハルの名前があった。


「あ、これだ」


ハルはくるっと向きを変えて、ソファの方へ歩いて行くと、そっと座った。


私は、また本へ目を戻すと、彼の作品を読んでみた。


探偵モノだった。


ボディガードを請け負って、守った女の子と恋に落ちるベタなストーリー。


でも絵はうまかった。
< 245 / 487 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop