春色のletter
「これ機関誌?」
「うん。ずっと昔から出されているみたい」
「ハルは何か描いた?」
今見た本をしまいながら軽く振り返ると、ハルが私の後ろから手を伸ばした。
少し抱かれるような感じになって、どきっとした。
ハルの手は端の方の本を取り出した。
「これ」
私はちょっと跳ねる心臓を押さえながら、受け取った。
パラパラとめくると、ハルの名前があった。
「あ、これだ」
ハルはくるっと向きを変えて、ソファの方へ歩いて行くと、そっと座った。
私は、また本へ目を戻すと、彼の作品を読んでみた。
探偵モノだった。
ボディガードを請け負って、守った女の子と恋に落ちるベタなストーリー。
でも絵はうまかった。