春色のletter
「あ、そう言えば、あんたに手紙が来てたみたいだよ」


「あ、ほんと?」


私は一旦脱いだ靴を履き直して、自分の8番のポストを覗いた。


「あ、ほんとだ。ありがとう」


砂羽さんは、何でもないというような手振りでそのまま出て行った。


私はダイヤルキーを合わせて外すと、そのちょっと厚めの封筒を取り出した。


「あ、母さんからだ」


宛名の丁寧な筆跡で一目でわかる。


裏返すと、きっちりと住所と母の名前が書いてあった。


「相変わらず、律儀だなぁ」


私はそうつぶやきながらも、滅多に来ない母からの手紙に、さっき言われたばかりの「何かが起こりそう」な気持ちを少し感じていた。
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