幸せの構図
そこに背後から声がした。

「先生・・・」

後ろを振り向くとあの子がいた。神妙な面もちである。

「ごめんなさい、わたし、先生のあとをつけてきちゃった」

「あ、先生に何か話しがあるんだろ。いいよ。気にするな」

私は椅子をその子に向けて座り直し、隣の椅子をその子の方にやり、座らせた。

「どうした?」

「ううん、先生、ありがとう」

「昨日のことか?」
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